クラブの哲学
2017/02/03
前回のJ1昇格とこれからの現実の続きです。
先日スカパー無料デーに乗じて、Jリーグアフターゲームショーの特番・Jリーグ アフターゲームショー FINAL(第三部)というのを録画して視聴しました。出演者は、MC:野々村芳和 アシスタント:日々野真理 ゲスト:田中孝司、水沼貴史、城福浩、福田正博、北條聡(サッカーマガジン編集長)、川端暁彦(エル・ゴラッソ編集長) こんな感じです。
現役の指導者が多かったせいか、監督に着目した話題が多く楽しめました。時にフロントとチーム、監督と選手、クラブの規模と戦術などに話題が及び、プロサッカーで勝つというのは、チームが頑張るだけでなく、多くの外部要因が絡まった結果だというのが改めて感じました。(ああ、あと福田は指導者向いてねえなあと思いました。言葉が下手だなあと思いますねぇ。)
今季優勝した柏のネルシーニョの話題では、J2降格してもネルシーニョに継続させる判断をしたフロントの姿勢が素晴らしかったのではという言及がありました。また、J2降格してチームを指導し続けたという点では、広島のペトロビッチも同様で、他のチームとは全く異なる独自の攻撃的スタイルを作りました。攻撃的スタイルと言えば、セレッソもそうで、クルピが指導し続ける事によって、攻撃的スタイルをつくりあげました。
ここで評価されるのは、結果が出なくても使い続けたフロントの姿勢です。一つ前の記事で2010年の運営費と順位をのせていますが、広島は11位の運営費で7位、セレッソは12位で3位の結果を得ています。柏にしても運営費はそこまで大きくはないはずです。
一方でビッググラブでありながら、降格寸前まで追い詰められたレッズ。全然J1に詳しくないのですが、レッズ低迷の歴史を紐解くと、オジェックからフィンケに変えるとき、カウンターサッカーから内容のあるサッカーに変えようという意図があったようです。もちろんサッカーのスタイルを変えるのですぐには成果が出ない。フロントと、監督の要求が一致しない。結局、結果を出せないまま監督は退任。続いて今年ペトロビッチになったが、フィンケ同様にフロントとうまくいかず途中退任する事に。
悪い例のもう一つが、千葉。運営費が20億ぐらいあり、インフラも整った千葉は、他のJ2常連クラブとは、雲泥の差です。オシム時代のサッカーから、ミラー監督に変わってサッカーのスタイルがまるっきりかわってしまった。選手も総入れ替わり。チームは一からの作り直しで、作っては壊しの繰り返しとなっています。
ここで問われているのは、フロントの姿勢です。自分のクラブのサッカーの哲学を築くことができるかどうか、これはとても大きいように思います。現場に押し付けることなく、フロントが一体となって監督をサポートしていく。現場に責任だけを押し付けていかない。予算だけでない、フロントの力というものが、ひとつ試されているといえるでしょう。
そこで、年間最低予算の我らがサガントスはどうすればいいのでしょうか。もうだいたいオチはでてきてますけど、長くなったのでまた続きます。
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