2016シーズンの監督、前FC東京のマッシモ フィッカデンティ氏に決定
マガト・インパルス
以前より来期の監督人事については、ドイツの名のある監督マガト氏の就任が取り沙汰されていた。もうずいぶんいろんな所で報道されていたのでいまさらだが、軍隊のような厳しいトレーニングを課す一方で、科学的に根拠のない訓練を課すという評価もある監督さんだ。
もちろんマガト氏のような名のある監督を招聘するには大金が必要なのだが、6億とも8億とも言われる金をスポンサーが拠出してくれる話のようだ。スポンサーはどこなのか明示されてないが、去年から大量の広告を出してくれている株式会社Cygamesと言われている。お金がないから身内のコーチを育てて内部昇格していた頃と比べると隔世の感がある。
しかしながら昨年12月30日、交渉も大詰め、土壇場でマガト氏が監督就任を断る。来期の開幕が2月末なので、交渉を主導したフロントは肝を冷やしただろう。
社長インタビューによると、三ヶ月前から交渉していたとの事なので、どういうペースで進めてきたかはわからないが、シーズン後半のかなり早い段階から監督交代は画策されていたのだろう。
お疲れ様でした森下仁志監督
シーズン途中で監督交代を考えたという事は、来期の事もあるので現監督にももちろん話をしなければならいだろう。そう考えると、来期の契約更新はおそらくないと森下さんが知っていたと考えるのが自然だろう。
シーズン終盤には、来期マガトの話がマスコミ経由で流れだし、森下さんには別のポストを用意しているとの記事も出た。マガトの話が流れた後は、もしかしたら来期も起用されるかと思っていたが、スピード契約でフィッカデンティ氏に決まったので、フロントはどうしても監督を代えたかったと思われる。フロントというより、監督資金を捻出しているスポンサーの意向が大きいように思う。なぜなら森下監督とは複数年契約を結んでいて、今シーズンの当初の構想では長期的にチームを任せようとしていたからだ。
そして、昨日、解任でも退任でもなく森下さんの「契約解除」が公式で発表された。文面で見る限り、おそらく鳥栖には残らない。夜寝る前に感極まって書いたような文章が泣かせる。あれだけ軽く扱われたのに拗ねるでもなく感謝の辞を述べる彼の人間性が伺える。
マッシモ フィッカデンティ氏登場
土壇場でマガトに逃げられたフロントは、今期でFC東京を退任する事が決まっていたフィッカデンティ氏との交渉に入る。フィッカデンティ氏はすでに代理人を通してJリーグのクラブに売り込みをしていたようで、元々Jリーグで監督をする事を希望していたようだ。(セレッソ大阪監督人事の記事に、フィッカデンティ氏側から売り込みがあったことが書かれている【C大阪】柿谷、丸岡らの復帰の裏で混迷を極めた監督人事。“苦肉の策”大熊監督続投が決まるまでの経緯とは?)もちろん鳥栖のフロントもその情報を持っていただろうから、二番手候補として元々念頭にあったのかもしれない。
FC東京が断った要因が年俸のアップだったようで、森下監督がJ1で下の方の2000万。一方でフィッカデンティが1億とも1億2000万とも報道が出ている。この年俸の高さがこれまでJで話が纏まらなかった要因だろう。鳥栖はマガトが単年で3億とかいう話が出ていたので、安くついたといえばついたのだが、これまでが2000万だったので安いのか高いのか、感覚がおかしくなってしまった。
問題は、これだけ高額の監督が就任して持続して契約できるかだ。今期成功すればおそらく年俸は上がる。資金を拠出してくれるスポンサーが毎年継続してお付き合いしてくれればいいが、そこは懸念材料だ。
おそらく鳥栖がこれまで雇ってきた監督でもっとも高額な監督。値段にあう価値をもたらしてくれる事を期待したい。
鳥栖のスタイルはどうなるのか
マガトのサッカーについては、海外サッカー無知なのでまったく不明。ただ、これまで日本人を指導してきたといっても、日本に来るのも初めて、Jリーグも選手もそこまで知らないとなると、めちゃめちゃ不安になる。開幕まで1ヶ月半ぐらいしか時間がない上、選手も入れ替わる。どう転ぶか博打の要素が大きい。
一方で、森下さん継続ならどうなっただろうか。シーズン当初は、森下さんはハードワークさせるスタイルで鳥栖にあう、とけっこう言われていた。だが、ハードワークというのは「一生懸命がんばる」ぐらいの意味なので、サッカーのやり方を包括した言葉ではなかった。
年末に出ていた豊田のインタビュー記事が選手目線で森下監督のスタイルをどう感じていたが見れて面白い。シーズン後半になって森下スタイルがようやく姿を見せ始めたが、彼の嗜好はこれまでフィジカルを前面に押し出したスタイルとはまったく違っていた。ロングボールを主体として攻撃よりも繋ぐサッカーの方が好みのだったようで、同じハードワークでも中身は全然違ってた。
おそらく前監督の継続性をフロントからオーダーされた上で、それを忠実に守り自分の色を出していった結果が、今シーズン通してのスタイルの変化に現れている。シーズンの終わりにはスタイルが少しずつ見えてきたので、オフに自身が望む補強ができれば、より進化したスタイルを見せられたかもしれない。
フィッカデンティに変わるとどうなるのか。今年のFC東京の攻撃は主にクロス主体のようで、基本的に1-0を最上とする守備的なスタイルのようだ。4-3-2-1が基本形、ボランチが3枚というのが特徴的で、アンカーを置くスタイル。中盤の守備が流動的らしいのだが、実際に見た事ないので詳しくはわからない。
クロス主体、守備的というと、ユン前監督のスタイルと親和性があると思う。守備練習は必要になるが、クロス攻撃が増えるという事は豊田という武器が最大限に生かされる。なにより、クロス攻撃自体が個人的に好きなので、フィッカデンティのスタイルには期待している。
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