2016 1st ステージ 第14節(H)浦和レッズ戦
土曜日から雨が続く日曜日。雨は試合開始の少し前に小降りになる。水曜日のアビスパとのダービーをいい形で締めくくれなかったチームは、ホームで強豪レッズを迎える。レッズは水曜日に韓国で延長のアウェイ戦を終えたばかり。それなりの疲労もあるところ。これまで4312を貫いてきたマッシモだから、スタイルは変えないと想像していた。
スタメンはFWに早坂、MFに福田が起用される。他はいつものレギュラーメンバー。トップ下にペクソンドン。両サイドバックは吉田、藤田。センターバックは谷口、ミンヒョク。もちろん豊田もスタメン。右インサイドにチェソングン。左に福田。アンカーは高橋。浦和はメンバーを変えてくるかと思われたが、水曜のレギュラーメンバーで試合に挑んできた。ワントップツーシャドウ343のおなじみの浦和のシステム。
まさかの5バックシステム?チェソングン過労死システム
試合が始まってみれば、積極的なプレッシングというより、リトリートしてほぼ5バックでの対応。まさか試合序盤から5バックを敷いてくるとは思わなかった。アウェイ広島戦のように、一度失点してしまうと今のチームではおそらく立て直せない。なにがなんでも失点したくない。監督はチームの現状を鑑みて、急激にガチガチの現実路線をとってきた。
本当は基本フォーメーションは4312なのだが、他の試合でも度々やっているチェソングンはDFラインに入って5バックになる変則5バックのシステム。浦和が基本的にボールを保持しているので、ずっと5バックに見える。カウンターになると、チェソングンは中盤まで出て行かないと行けないという、チェソングンにはとても過酷なシステムとなっている。早坂も積極的にプレッシングし続けて、3枚の中盤を支える。なかなか堅い。
監督はチェソングンを信頼している。それというのも、守備も攻撃も安定したレベルで対応できて穴が少ないところによる。本当にいろんな局面で仕事をしなければいけない過労死するレベルの仕事量で、試合終了間際にはヘロヘロになるのもよくわかる。よく頑張っていると思う。
どん詰まりポゼッションより可能性を感じるカウンター攻撃
5バックだったのでドロー狙いかと思うかもしれないが、はっきりいってポゼッションしてもどこかでミスしてフィニッシュにもたどり着かないチーム状態なので、今節の5バックシステムの方が可能性を感じる攻撃が出来ていた。公式記録のシュート数は3本だが、ポゼッションしてもそう多くはシュートを撃ててない。攻撃も相手が引いた局面よりもゴールに近い攻撃が出来ていた。
もちろんどの相手にも5バックで挑む必要はないが、チーム状況と相手が浦和という事もあり、なかなか上手く嵌っていたと思う。前半中ごろのペクソンドンがスピードにのってボールを運んでクロスを入れたカウンターなんかは、もっともゴールに近い攻撃だった。
どこかでやり方を変えてくるかと思ったが、スコアレスで折り返した後半も同じスタイルで戦う。確かにカウンターも出せてるし状況は悪くない。後は選手交代で違いを出すのか。
浦和は、関根に代えて駒井、興梠に代えてズラタン。システムを代えずフレッシュな選手を入れてきた。鳥栖も早坂に代えて富山を入れる。富山なら早坂より少しカウンターに可能性がでてくる。最後の交代は痛んだペクに代えて菊池。菊池はDFラインに入り、チェソングンの疲れも考慮して、チェソングンを移動させる変則5バックから、固定の5バックシステムに移行。
結局、浦和の攻撃を凌ぎ切りスコアレスドローで終了。ガチガチに守りきっていただけというだけでなく、カウンターを定期的に繰り出して、いい戦い方が出来たと思う。
がっちり組み合った盾と矛の戦い
それにしても浦和の恐ろしさ。ユン時代でも5バックを破られることがあったと思うが、5枚並べても左右に振られてサイドにフリーな選手を作り出す。やはりあれぐらいの精度を持ったプレーが出来ないと、がっちり構えたブロックを突き破る事は難しい。フリックやダイレクト、正確なサイドチェンジ。あのようなプレーがいまの鳥栖の選手にできるだろうか。いまの鳥栖は、ただただショートパスを繋いでいる狙いのはっきりしないプレーが多いように思う。
今日よかったのは、破られても粘り強く体を投げ出してシュートブロックして対応していた事。これだけ長い時間守備をし続けるのは相当しんどいと思うが、集中力をきらさずよく頑張った。試合終了後、韓国延長アウェイから帰国したレッズより鳥栖の選手の方が倒れこむ選手が多かった事からも、そのハードさがわかる。
一見、守備的に戦う方が劣っていると思うかもしれないが、そうは思わない。鳥栖はガチガチの5バックだったが、勝つチャンスは対等にあった。手持ちのカードを並べて勝つためにどの手を選択するかが重要で、5バックであろうがそれが勝利に近ければ、それは悪くない選択だ。
重要な戦いが続く6月
6月は重要な戦いが続く。まずは6月2日のホーム神戸戦。その2日後のナビスコはさておき、6月11日のアウェイ名古屋戦。6月18日ホームガンバ戦。6月25日アウェイ新潟戦。今日の戦い方からすると、神戸や名古屋、新潟にはハイプレスで、ガンバあたりには変則5バックで挑むと思う。ただし、今日もペクソンドンが負傷退場したし、U-23に絡む選手もいる。どうなるかはわからない。
勝利こそできなかったものの、レッズと引分け勝ち点1を積み上げられた事は、チームとしてはほっとしたと同時に、選手のメンタルも少しは持ち直したと思う。次のホーム神戸戦。自信を積み上げていく為にも、なんとか勝利が欲しい所だ。
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