2016 1st ステージ 第16節(H)ガンバ大阪戦
2016/06/20
梅雨に入って湿度が高い。夜になって気温はやや落ち着いたものの、気温60度、湿度70度。今日の相手ガンバは、レッズと水曜日に戦い中2日。消耗する条件の中、コンディション的には圧倒的に鳥栖が有利である。降格を免れるためには重要な6月戦線、チームはこの大事な試合を制し、これまでの溜まった鬱憤が爆発するかのように、大きな歓喜をスタジアムにもたらした。
先発は前節と同じ。ガンバにどういう戦いをしてくるかと思ったが、これまで通りの4312。ここ数試合、福田がスタメンを掴んでいる。彼もスタメンに定着するには正念場だ。対するガンバは、451。本来CBの丹羽が右Sbに入り、アデミウソンワントップで遠藤をトップ下に配置。水曜の浦和戦と同じスタメンという事だが、元々CBの丹羽なので攻撃力は一枚落ちる。ボランチも井手口、今野と守備に定評のある人選で、どちらかというと守備的なフォーメーションとも言える。
緊張感のある好ゲーム。やはり失点はミスから。
前半は、一進一退の展開。このところロングボールをあまり入れない戦い方をしていたが、今日は繋ぐところとロングボールをよく使い分けていた。ガンバのCBも高さに対してそこまで高さに強くないので、豊田もよく勝っていた。対するガンバは、遠藤が下がってきてゲームメイクをしてサイドを上手く使って攻撃を作っていた。鳥栖の守備がしっかり機能していた表れが、高い位置でボール奪ってのショートカウンターが何度か見られていて点。阿部の遠目からの惜しいシュートはあったものの、失点以外の場面では決定的なシーンを作られることはなかった。
前半、鳥栖は多くのチャンスを作った。ちょっと思い出すだけでも、カウンターから福田がペナルティーエリアに入ってきてクロスを上げられなかったシーン、鎌田が遠目から打ったシーン、ほぼ入ったように見えた右からのクロスに富山のヘッド。やはり決めきれず、終了間際に失点。今季のこれまでの試合のような展開に、サポーターも肩を落とす。
前半途中、谷口が最終ラインでガンバの選手がチェックに来ている事に気が付かずに、慌てて前に蹴りだしたシーン。この後、上がっていた左SBの裏を使われてピンポイントのクロスを送られてあわや失点というシーンがあった。ミスがあればきっちりとチャンスに繋げる、それぐらいガンバの選手のプレーは正確だった。失点も同じように、鎌田が逆サイドに曖昧に展開したところをガンバの右サイドが素早く拾って、カウンター気味に失点してしまった。やはり、こういう展開ではミスは失点に直結する。
勝ちを呼び込んだ縦パス
一点とってがっちりとカウンター狙いに来ると思われるガンバ。宇佐美にしてもアデミウソンにしても、単騎でカウンターを決められるタレントが揃っている。それに対して鳥栖はどうやって点を狙っていくのか。どこかでパワープレーでも仕掛けていくのか。ハーフタイムから急に強く降り始めた雨の中、興味深い後半が始まる。
後半入りは特にやり方は変えず。前半と同じく積極的にプレスに行く鳥栖。そんな中、開始早々に鳥栖の得点が生まれる。藤田の縦パスに富山がサイドで受けてクロス、それをペナルティエリアに走りこんだ鎌田が沈める。富山のクロスも鎌田のシュートも見事なものだったが、この得点の半分ぐらいは藤田の縦パスのおかげだと思う。富山のポジショニングもだが、タイミングも質もベストな縦パスを出した。個人的には試合を明暗を分けたプレーだと思う。
試合再開直後、すぐに次の得点。谷口がクリアしたハイボールに、豊田が見事な落とし。そこにまたしても鎌田が走りこむ。フリーで持ち込んだ鎌田が、カットインから岩下を振り切ってシュートを決める。絵にかいたようにきれいなゴールが決まった。今日の豊田はただ勝つだけでなく、落としが絶妙で味方の選手が拾えて次の攻撃につながっていた。鎌田も、これまでの試合でたくさんのチャンスを決めきれていたのが、1点目のゴールが決まってか、迷いなくカットインからスパッとゴールを決めた。
ガンバはアデミウソンに変えてパトリックを投入。高さと強さを加えて、ロングボール、サイドからのクロスを絡めて得点を狙う。CBのキムジョンヤを下げ右SBの米倉を、その後、CB岩下を下げてボランチに倉田を投入。最終的に右SB丹羽とボランチ今野のCBとなり攻撃的布陣に変更したが、鳥栖が運動量を落とすことなくプレスし続けて、ガンバの攻撃を跳ね返し、危ない場面もなくゲームを締めくくることに成功。長い長いホーム未勝利のトンネルをやっと抜け出すことができた。
久々の勝利に沸くスタジアム。ガンバ戦を機にチームは上り続けるか。
それにしても久しぶりの勝利。得点シーンの大歓声も、未勝利のストレスが爆発したようなスタジアムが揺れる大歓声だった。家路を急ぐサポーターも興奮気味で笑顔。バッグから取り出した勝利のジェット風船もちょっと劣化しかかっていて、いかに勝利までが長かったかを思い知らされる。勝つのって簡単じゃないし、勝つのって嬉しい。
鎌田が得点した事によって、もっと開花してほしい。今日のようなプレーをたまにやるプレイヤーではなく、普通にコンスタントにやれるプレイヤーになって欲しい。アンダーの代表にいくようになってから守備はよくなったと思う。プレスバックからスライディングでボールを奪う場面がよく見られる。今日くらいやれると、鳥栖はまだ上に行ける。
去年までのスタメンにかわって、鎌田のような若い選手がスタメンに定着しつつある。富山や福田もそういう選手だが、富山は、とにかく惜しい。セットプレーのキックもそうだが、今日のアシスト、受けてからのターン、積極的なプレス、いいポジショニング。やれる事が多彩でいい選手なのだが、なぜだか決めきれない。今日もポストにあたったヘッドがあったが、鎌田のように一点決めてドバドバと得点してほしい。福田は攻撃面では今日はもう一つだったが、とにかく運動量が多くて顔を出すエリアが広い。スピードもありサボらない。ゴール前に顔を出したかと思えば、ダッシュでゴール前に戻る。よく走るなと思っていたが、やはりチーム1の27回。チームを縁の下で支えている。
今日の試合はいろんな事があったが、キムミヌと井出口の小競り合いから、キムミンヒョクが飛んできて審判の目の前で相手選手の胸を押した。兄貴分がやりあってるところに加勢する気持ちはわからんでもないが、もしあそこでレッドがでてたらと思うと、試合を壊しかねないので本当に勘弁してもらいたい。熱くなるのは大事だが、そこはクールにお願いします。審判によってはレッドを出す人もいるだろう。
そういえばガンバ戦はいつも上昇のターニングポイントになる。442のブロックからカウンターからペクのゴールで勝った去年のホーム。連敗の最中、0-2から試合終了間際のラストワンプレーで逆転勝利した2012年のアウェイ。こんかいのこのガンバ戦が上昇のいいきっかけになって欲しい。次は、大事な6月、降格争いのライバル、新潟戦。まだまだ気を抜けない戦いは続く。
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