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2016 2nd ステージ 第6節(H)鹿島アントラーズ戦

      2016/08/01

毎日猛暑で体が厳しい。ましてやこの環境で運動するとなると、気が滅入るどころか、危険ですらある。そんな中で行われる真夏の鹿島戦。夜とはいえ、30度近い気温。関東はここ数日で梅雨あけしたばかりのはずで、この暑さになれている面からすると、鳥栖の方に分がある。ましてや走れる鳥栖である。そんな見立てをしながら試合を見始めた。しかし、試合が始まってみれば、鹿島の強さをひしひしと感じる前半だった。

先発は、ここ数試合の同じメンバー。対する鹿島は、五輪代表で植田がいない状況。システムは442。

圧倒的なコンビネーションを見せる鹿島。

前半はなんといっても鹿島。入りは五分で組みあったが、次第に鹿島に押し込まれる。鳥栖の狙いとして、前半はプレスを抑え気味にいったのかはわからないが、鳥栖は自陣に引く展開。両サイドのMFを中心に、ツートップの一人が流れて2人、それにSBやボランチ、時にはCBまであがってきて、2人+3人目のコンビネーションで、両サイドを徹底的に崩してくる。

恐らく鳥栖のサイドの守り方をよくスカウティングした結果だと思うが、鳥栖のディフェンスは悉く外されて、簡単に中に入り込まれてクロスを上げられる。けして早い攻撃ではないのだが、鹿島のコンビネーションが小気味よく決まる。鳥栖のインサイドハーフは完全にサイドに引っ張られて、中は早坂か鎌田が下りてきて対応。

シュートはかなり撃たれていて、林の好セーブやDFが体を投げ出してシュートブロック、ゴールマウスのカバーで、ぎりぎりの所でピンチを凌ぎまくる展開が続いた。ここまで押し込まれる展開はそうそうない。

厳しい時間帯が続いたが、鳥栖が先制する事に成功。カウンターからゴール前に運んだクリアボールを吉田がファーで余っていて鎌田に正確なクロス。角度がない難しいヘッドだったが、ゴールバーにあたりその跳ね返りを豊田が決める。

その後も鹿島の猛攻は続いたが、凌ぎきり後半へ。

徹底的にサイドにふた。自慢の体力で粘りきる。

後半も前半の流れとさほど変わらず。押し込む鹿島に対して、引き気味に守る鳥栖。ちょっと変わったとすれば、後半の入りはスタミナを戻してか前からのプレスが少しかかり始めたのと、インサイドハーフがかなりサイドの守備に気を使い出した点だ。

1stでチェソングンをずらして変形5バックの形があったが、昨日の試合では、両方のインサイドハーフがほぼディフェンスラインにならんで、早坂が下がってきて、622ぐらい極端な形を見せる事もあった。中を使われたら大丈夫かなと思ったが、この幅のスペースを神経質に警戒したお陰か、前半に比べて鹿島の崩しも勢いはない。

それに付け加えて、鹿島の選手も体力面で落ちてきた面もあったろう。一方で鳥栖の方は、前半からずっと守備で走らされていた訳だが、結局最後の最後まで走りぬいて、落ちることなく自慢の体力で守りきった。トラッキングデータで見るとわかるが、ボールを持って相手を動かし続けた鹿島(105.502km)に対して、守りに動かされまくった鳥栖(117.494km)という構図で、鹿島の揺さぶりを走りで乗り切った勝利とも言える。

その後は、鎌田を下げ富山投入、いつもどおりの442にシステム変更。最後は、青木を投入して532。今回はきっちりと試合を締める事に成功した。

高橋や吉田の活躍

試合を通して鹿島は強いという印象。元々引いてからカウンターを想定していたのなら狙い通りだが、想定していたより押し込まれていたのではないだろうか。試合後のインタビューやらコメントを見聞きしていると、カウンターという言葉がよく聞かれたので、もしかしたら元々カウンター狙いだったかもしれないが。

そのカウンターがうまく機能していたからこそ、このゲームは上手くいった。そのカウンターの形で、ここのところアンカーの高橋があがってくる形ができつつある。前半にもひとついい形で持ち上がって豊田のシュートまで持ち込んだチャンスがあったり、今日の試合を通して数回はチャンスを作っていた。

思えばFC東京戦の逆転のクロスを上げたぐらいから目立ち始め、湘南戦だったか同じように持ち上がってアシストした。中盤の底のアンカーのポジションから上がってくるとなかなか捕まえにくい。高橋の飛び出しがチームとしての形となりつつある。もちろん、高橋が上がれば連動してそのスペースにはカバーが入る。

福田も鎌田も早坂もよく走るし、みんな調子はよさそう。鎌田はゴール前に積極的に出てくるようになって、また良くなってきている。そんな中でも最近吉田の存在感が光る。玉際の激しさ、アジリティにスピード、スタミナ。このあたりは元々良かったのがさらによい。そして、いいクロスがばんばん入っている。福岡戦でのクロスもそうだが、今日のクロスのクオリティも素晴らしい。ここ数試合のパフォーマンスがすごく良くて、目に付いた観客も多かったのではないだろうか。

次も強豪、ガンバ大阪。新しい吹田スタジアムに私も行く予定。鳥栖も調子が良くて。試合もスタジアムも楽しみだ。

 -Jリーグ, サガントス

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  • Jリーグが始まった年からぼちぼちとサッカー見てました。サッカー経験はないけど、子供とボール蹴るのは楽しい。40代二児の父。鳥栖サポ。

    詳しいプロフィール
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