2016 2nd ステージ 第12節(H)サンフレッチェ広島戦
秋のシルバーウィーク。広島を迎えてのホームゲーム。連休で比較的近いチームという事で、多くの広島サポーターが来場。これまでの対戦成績からいうと苦手としているチームだが、残念ながら2-3で敗戦。0-3から盛り返したり、いろんな出来事があったりで、さながらシナリオのあるプロレスのようなゲームとなった。
鳥栖はスタートはいつも通りの4312のスタイル。今日は4312の時はレッズ戦と同じく頑張って繋いでいた。広島も同じく361。リトリートして引いて守って、繋いで攻めあがる。
観客を興奮の坩堝にまきこんだジャッジ
観客を巻き込んだエキサイティングな試合になったのは、まずはジャッジが不安定だった事だ。キックオフ直後に鳥栖側のタッチラインを割って、あきらかに鳥栖側が触っていたのになぜかコーナーにならずにゴールキックになった。あれ?おかしいなと思いながら、ラッキーぐらいに思っていたが、その直後もウタカが抜け出したのがオフサイドにならなかったりと、おかしな判定が続いた。
線審がおかしいのかと思っていたが、いろんな情報を拾ってみると、線審はオフサイドの判定をしているのに主審が取り消したりと、主審がジャッジしていたようだ。
後半開始直後のセットプレーからのゴールが、オフサイド判定で取り消しになるのだが、その事でスタジアムの空気はヒートアップ。スタジアムが審判への怒りで染められた。さらにマッシモ監督も講義でラインを超えたからという事で、退席処分となる。このジャッジ自体は妥当だったかもしれないが、スタート直後の不安定なジャッジが積もり積もって、審判への不信と変わってしまった。もうどんなジャッジをしても観客は受け入れなくなった。
観客を巻き込んだ怒りはピッチへ伝播して、チームも興奮状態で前がかりになった面もあっただろう。その後、裏へ抜けられて1点、もうひとつはDFが付いていたが茶島に個人で決められ1点、立て続けに2点を失った。だが、今日はそれだけでは終わらなかった。
審判が素人だったとかすべてのジャッジがおかしかったとは思わないし、審判も人間なので間違う事もある。だが、開始早々のおかしな判定の連続が、完全に観客も選手からも信頼を失ってしまっていた。
スーパーゴール?なのか?
1stの広島との試合は、開始早々に失点して苦しいゲーム運びを強いられ、結局0-3で敗れている。ただでさえ低い位置でブロックを引いてしっかり守るチームなので、先制点を与えると、鳥栖の得意な形がよりだせなくなる。いつも以上に先制点は大事だ。
先制点までは、緊迫したゲームが行われていた。やや広島が主導権を握っていてDFラインが不安定な面もあったが、最後の所では守れていた。広島の武器のひとつ、外を余らしてから両ウイングからのクロスも、サイドまでは運ばれるものの、SBも粘って決定的なクロスは上げさせない。
だが、一瞬の出来事でスタジアムが静まりかえる。センターラインの少しまでから放たれたロングシュートが、きれいな放物線を放ってゴールに吸い込まれる。
スタジアムで見ていると、はじき出すことは出来るように見えた。後で調べてみると、無回転の所謂ブレ玉のボールを狙って蹴ったらしい。
世間ではスーパーゴールという事になっている。難しいシュートだったのは間違いない。だが、ブレ玉と言えど正面からのスピードもそう速くないロングキック。まがりにも林は代表に選ばれるキーパー。触ることぐらいは出来なかったのだろうか。
この先制点が試合を進める上では痛かった。決定的に崩されて失点した訳でないところがまた、悔しさを倍増させられた。
ヒートアップするスタジアム。選手の背中を押す。
3点取られて鳥栖も割り切った攻撃にでる。鎌田を下げて早坂を投入。442へシステムチェンジ。繋ぎ主体から、ロングボールとサイドを破ってからのクロスへ攻撃を変える。
まずはコーナーキックから谷口が押し込む。さらにキムミヌがホーム川崎戦のような流し込むようなシュート。今年はセットプレーからの得点が少ないので、ひとつとれたのは良かった。2点目のキムミヌのシュートも、これまでドカンとうって枠を外すことが多かったが、ここ最近、うまくコースを狙ったシュートが決まっている。
0-3から2-3に追いすがり、興奮に包まれるスタジアム。最後のカードは福田から池田、カビルに変わって入っていた富山、池田、豊田を並べてパワープレイだ。ロングキックからの落としからチャンスを狙うおなじみのスタイル。味方がセカンドを取りゴールチャンスを取ると大盛り上がり。
残念ながらゴールを割ることはできず悔しさは残るものの、サッカーの熱狂と興奮が間違いなく観客には刻み込まれただろう。
全体的に個人の出来が悪かった。
ジャッジはまあ置いといて試合を通してみてみると、結局個人の出来の悪さで負けたのかなと思う。最初のゴールは本当は処理するのは難しいのかもしれないが、弾き出して欲しかった。2失点目は、ウタカとミンヒョクの関係だけ見ているとオフサイドだが、恐らくDFラインのだれかが遅れてオフサイドを取り損なっているのだと思う。3点目は茶島についていった高橋が、我慢しきれずに滑って切り返された。
こうやって見てみると、組織的な戦い方が上手くいかなかったというより、各個人の出来の悪さが目立った試合だったと思う。この失点に絡んだ選手以外にも、よくないプレイヤーが数人いた。
それにしても広島はよく繋げる。今日も鳥栖は前からプレスにいくシーンがたびたびあったが、広島の選手は全然あわてずテンポよく外してくる。同じく繋いでくる川崎にもプレスは嵌ったので、鳥栖のプレスのレベルは高いが、広島の繋ぎのクオリティが今日は勝っていた。
監督それぞれでやり方や哲学があって、それがよく現れているなと思う。チームで練習するのは時間が限られていて、どこが重点をおいて指揮していかないといけない。鳥栖はまずはプレスで相手の良さを打ち消すこと、広島はしっかりと繋いで中と外を上手く使うこと。多分マッシモは、まずは重点的には組織としてのプレスの掛け方が第一で、繋ぎなさいといってるが、チームとして繋いで攻撃する練習はそんなにしてないのではないだろうか。
広島のような繋ぐプレーが鳥栖の選手では出来ないのか。個人能力の差で、あのようなテンポ良く繋ぐプレーが出来ないのだろうか。最近はそうは思わない。各個人が下手だからというより、チームとしての重心の掛け方なのかなと思う。
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