2017 J1第8節(H)ヴィッセル神戸戦
2017/04/24
4月半ばだが早くもナイトゲーム。少々肌寒く客入りが心配されたが、なんとか1万人越え。いまいち調子に乗れないチームだが、なんとかここで踏みとどまりたい。相手は上位にいる難敵神戸。
難しい試合になると思っていたが、伝統的な「鳥栖らしさ」をみせて鳥栖が粘り勝ちに成功した。
先発は不動と思われたアンカー高橋に代わり小川、イバルボに代えてチョドンゴンが起用される。イバルボは怪我かどうかは不明。監督もなにか変えたいといったところだろう。システムは試合開始後見てみると、やはりいつも通り4312。守り方はちょっと代えてきた。一方で神戸は442。岩波が出場停止に藤田直之が怪我で欠場。だが代わりに入った北本や高橋秀人もこれらの選手に遜色なく層の厚さを感じられる。
質の神戸 VS 粘りの鳥栖
試合の入り、両者とも前からのプレスが鋭い。お互いにプレスを交わして長いボールを入れる展開。その流れをものにしたのは、ロングボールからの展開が得意な鳥栖だった。藤田からのロングボールを収めたチョドンゴンが鎌田に落とす。鎌田から裏のスペースにループパスが入りチョドンゴンが突破。一度は神戸GKに阻まれるものの、なんとか押込んで待望の先制点をゲット。
ここから神戸の時間帯が長かった。神戸は対鳥栖攻略のセオリーどおりにサイドを主体にボール運んで、ディフェンスを寄せて中や逆サイドを使ってくる。繋ぎのクオリティが高くミスが少ないので、ボールの取りどころなく鳥栖はゴール前に張りつけられ押込まれる。いままでは、幅を使ってサイドを攻略してくる展開では、中盤の3枚の右MFがDFラインに落ちて変則5バックの形をとってきたが、この日の鳥栖はその対応をしなかった。
この日の鳥栖を勝利に導いたのは、押込まれながらゴール前のスペースを消して決定機を作られなかった事と、終始走り続けたプレッシングだと思う。特にゲーム開始当初から豊田が鬼のようにプレスをし続けて、試合の終盤にはそうとうに疲弊していた。チョドンゴンがサボっているように見えるぐらい豊田は走り続けた。
この試合に臨むにあたりプレス戦術は整理されていて、FWがプレスをかけると左右のインサイドの福田と原川がサイドバックまでプレスに行き、サイドバックが前列のサイドのMFにボールを入れれば両サイドバックが猛烈にプレスを掛けてくる。インサイドハーフがつり出されると鎌田が下がって中のスペースを埋める。全員が相当なハードワークをしていた。5バックになって下がって攻撃を受けるのではなく、果敢に前から奪う方を選択した。
だが、神戸の質が高く、プレスを外されてボールを運ばれピンチに陥る事も多かった。ボールが収まる渡邉千真も怖かったが、目についたのは大森。球際も強くドリブルもパスもありゲームも作れる。ガンバではタレントが多いのでそんなに注目していなかったが、本当にいいプレイヤーだと思う。
プレスをかけまくってボール奪取を狙う鳥栖、そのプレスを掻い潜って幅を広く使って崩していく神戸。プレスを交わされてはダッシュで帰陣する選手。必死で走り回る選手からは勝利への渇望が感じられた。
殴られ続けた鳥栖の粘り勝ち
後半に入っても同様の流れ。時折カウンターを入れながらも、ボールは神戸が持つ展開が続く。鳥栖は後半20分、小川から高橋に交代。これに伴い442に移行し、プレス主体の守備からブロックを敷いて待ち構える守備に移行。鎌田と福田がポジションを入れ替えながらサイドにでて、原川高橋のダブルボランチ。
後半は、粘り強く守る鳥栖の方が決定機が多かった。原川がフリーで入ってきてボレーが二回、終了間際で鎌田抜け出してGKと1VS1が一回。いずれも外してしまうが、これが決まっていればもっと楽な試合ではあった。この二人はこの試合、めちゃくちゃ走っている。鎌田は走行距離12.585kmで全体で二位、原川は12.644kmで一位。スプリントは鎌田27回で一位、原川は19回。プレス戦術をとった事で、前目の選手は全員がハードワークしている。これだけの仕事をしながら責めるのは酷な話だが、ひとつでも決めていればとは思う。
神戸は最終的にサイドバックの橋本を下げ、FW田中順也を投入、前の選手を増やしリスクをとって攻撃を仕掛けうる。それに対してマッシモがとったのはチョドンゴンに代えて小林を投入、5バックを引いて攻撃を受け止める作戦をとった。神戸が前線を増やしてきた事に対する対応だろうが、これまではブロックを引いてガチガチに跳ね返す守備に対して否定的な事を言っていたような気がしたが、マッシモもいろいろと試行錯誤しているなと思った。
神戸の攻撃のクオリティが高くよく繋がれたが、鳥栖のハードワークがそれを上回った。豊田をはじめもう足が攣りながらも限界まで走り続け、試合終了とともに肩を下す選手たち。久しぶりにこういう試合が見れて感動したし、懐かしい感じがして嬉しかった。
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