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2017 J1第18節(H)川崎フロンターレ戦

      2017/07/11

梅雨の高温多湿の環境でのフロンターレ戦。相手は水曜日に試合をして中2日という事で、コンディション的に鳥栖がかなり有利。そのハンデを生かして上手く先制したものの、川崎の試合運びの上手さに感嘆してしまった。鳥栖も特段悪くなかったが、それを上回った川崎の狙いと集中力だった。

鳥栖は今節も豊田がサブスタート。鎌田も移籍しチーム内で話し合いがあったのか、変化の訪れを感じる。FWは富山とチョドンゴン。トップ下の小野。システムはこれまで通りの4312。前線以外はここ最近のメンツが揃う。中盤は原川高橋福田。きょうは原川が左。バックラインは吉田青木ミンヒョク小林。GK権田。対する川崎は451。中村憲剛を温存し、家長がトップ下で先発。阿部、小林らは先発出場。

2点先行で上々の前半。

試合の入りはほぼ想定通りの戦い方をしてきた。浦和戦で成功したように、前線から果敢にプレスを仕掛けて相手の攻撃を封じ込め、そこを突破されると急いで自陣に戻りブロックを作る。プレスに行くときは川崎の4バックに対して前線の3枚+右MFの福田を当てる。左の原川はどちらかというとサイドを警戒しDFラインに下がって5バックを引く役目を負っていた。左SBの吉田が攻撃の起点になる事が多いので、鳥栖の左MFはバランスをとる役割が多くなる。

それなりにプレスはかかっていたものの、浦和戦よりもそのプレス強度は劣っていたように感じた。ひとつは高温多湿の影響による動きの悪さ、もうひとつは浦和戦のイバルボのプレスが非常に効いていた事。イバルボはアジア人と比べて手足の長さが違うので、浦和のDFも対応に手を焼いていた。

その浦和戦から比べると、やはり交わされて運ばれることが多く自陣に撤退する時間も多かったように思う。

先制点の突破はシンプルな攻撃で非常に良かった。吉田の攻撃参加が鳥栖の主な攻撃の一つだが、今日もそれが見事に嵌った。スピードを生かしたオーバーラップからエリアに侵入しPk獲得。火点目も非常に良かった。福田のピンポイントクロスがチョドンゴンにドンピシャで決まって追加点。

相手も疲れているだろうし、なんとかなるだろう。自分も思っていたし、チームもそういう油断があったと思う。後半の入り、川崎は諦めず攻撃のギアをぐっと入れてきた。

変貌した川崎が鳥栖の右に襲い掛かる。

後半の逆転劇は、鬼木監督の狙いとそれをきっちりと表現する中村の凄さを感じた。後半から川崎は、トップ下の家長に代えて中村憲剛、左MF三好に代えて登里を投入。川崎の狙いは、高くプレスにいく鳥栖の右サイド、その上がったスペースをブロックを引かれる前に使う事だった。後半開始から川崎の攻撃はスピードアップした。

鳥栖の魔の6分は、セットプレーの失点から始まる。まずはCKから失点。正直、この失点で諦めない気持ちを川崎に持たれてしまった。

鳥栖は当初の作戦通り、ハイプレスで相手の攻撃を抑え込もうとする。それを見透かしている川崎はプレスを掛けさせてそれを外してすぐさま鳥栖の右のスペースを使う。プレスが交わされた後は、鳥栖は急いで自陣にもどり原川は一列下がって541のラインを引きに行くのだが、川崎は鳥栖が守備を整える間もなくスピードを上げて左のスペースを使ってくる。

結果右SBの小林とオーバーラップした川崎左SB車屋が広いスペースで1対1で対峙する事になり、同じような形で連続失点する事になってしまった。

プレスを外されて空いてるスペースを使われた鳥栖は、行くのか引くのか迷う事になる。プレス戦術は全体が連動しない限り上手く嵌らないので、中途半端な状態となり一旦442の形で態勢を整えようと試みるものの、混乱して曖昧な対応となった鳥栖は、またも右を同じような形で破られて逆転を許してしまう。

その後、マッシモははっきりさせる為藤田を投入して5バックを引いて横幅を埋めに来たが、時すでに遅し。川崎はここぞというところでギアを入れて油断した鳥栖の弱点を攻撃し混乱させあっというまに逆転、それに対応しようとしたときにはすでに川崎は引いてカウンターの体制をとっている。鳥栖の対応がすっかり後手に回ってしまった形だ。

前後半の間の休憩は、チームでコミュニケーションをとる時間があり、チームとしてのやり方を整える時間がある。前半のペースから一転しスピードアップし、鳥栖の弱点に怒涛のように奇襲した川崎、なかなかこうも見事な試合運びを見る事はなかなかない。敵ながらあっぱれと思わざるをえない。

一方で、リードした油断、前半から見られた効いてはいるものの川崎を抑えるまでには至っていないプレス、川崎の狙いに対して後れを取った対応、この辺りは鳥栖は反省点だろう。車屋のクロスも素晴らしかったが、対峙した小林も抑えて欲しかった。

ホームで逆転負けの鳥栖。

この試合で鳥栖について感じたことは、1)夏場のプレス戦術の限界2)後半の川崎の動きを見てからの対応の遅れ。今後ますます気温も上がってくる。今日のようなきついコンディションではプレスの強度は落ちるしプレスを掛ける時間も限られる。ずっとプレスで押し切れるとは思えないので、夏の戦い方を整理した方がいい。2)については、マッシモが対応するのが遅れたかなと思う。判断が難しい所だが、川崎は鳥栖のプレスを逆手にとって利用しようとした訳で、一方で鳥栖はプレスで跳ね返そうとした。それに、明らかに川崎の狙いは右だったので、原川を前にだして福田を下げて対応させてもよかった。左じゃなくて右の福田が下がる変則5バックだ。

とはいえ、川崎の後半の入りが見事すぎて、感嘆するばかりだ。試合には負けてしまって至極残念なのだが、後半にピッチで起こったドラマが面白くて興奮するでは試合だった。タイトルがかかったビッグマッチではないが、〇〇の戦いとか△△の悲劇とか名付けたい気分だ。

 -Jリーグ, サガントス

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