2017 J1第19節(A)サンフレッチェ広島戦
連日猛暑の毎日。それに加えて湿度も高い。夜になっても30度近くあって、とてもまともに運動できるような環境じゃない。それでも試合はやってくる。
中断期間が終わって始めてのリーグ戦。広島も監督が交代しての初戦。広島のスタイルと言えば長らく3バックで遅攻、ショートパスをつないで中と外を上手く使うスタイルだった。果たして新監督はどういうスタイルのサッカーをするのか。鳥栖は鎌田が抜けて前線をどう作っていくのか、いろいろ見所のある試合だ。
鳥栖はシステムは433。スタメンは田川、豊田、イバルボの3トップ。タイプの違う三枚が並ぶ。中盤はいつもどおりの原川高橋福田。バックラインは吉田青木ミンヒョク藤田。藤田がスタメンに復帰。GKは権田。
対する広島は4バック。451のフォーメーション。トップにパトリック、トップ下に柴崎。左サイドに柏、右サイドにアンデルソンロペス。逆足の配置から見ると中に入ってくる。ボランチは野上、青山。DFラインは左から高橋、水本、千葉、丹羽。GKは中林。
立ち上がりこそよかったものの
試合の入りは鳥栖が制す。鳥栖は前線の並びは変わったものの、基本のプレス戦術は変わらず。一方で広島は新システムから間もなかったり新しい選手も加入などもあり、序盤はパスミスなどからボールを失う場面が目立った。
前半20分ぐらいまでは鳥栖のペースで試合が進む。ゴール前まで運べない広島に対して鳥栖は結構フィニッシュまで持っていけていた。この日の鳥栖の攻撃のメインはロングボールを豊田に当てて裏に田川とイバルボが走る形。このスリートップで考えていた攻撃パターンはもっとあっただろうが、この試合ではそうした場面はあまり見られず。
徐々に広島も試合に慣れてきたのか、持ち前のボールポゼッションを見せ始め、ボールが収まり始める。広島の攻撃は両方のサイドがダイアゴナルに中に入ってくる。その空いたスペースにサイドバックが積極的にオーバーラップしてくる。新しい広島のメインウェポンはサイドアタックで、中にパトリックを中心として二列目が飛び込んでくる。このサイドバックのオーバーラップを上手く捕まえきれずに、鳥栖は主導権を握られることになった。
サイドバックに対しては中盤の三枚がスライドして対応し、両ウイングが一枚下がる形になっていたと思うが、両サイドが中に入ってくるのでサイドバックへの対応が遅れ気味で鳥栖は主導権が握れない。サイドで先手を取られ後手に回って受ける形となり、なかなか前からの連動したプレスも上手く機能せず。流れは広島のまま前半は終了。
起死回生のスーパーゴール
後半は選手交代なしでスタート。もう一度整理して、前線からプレスをかけていこうとする鳥栖。だが、前半からの流れを変えられず。やはりサイドで主導権を取れない。
後半6分、マッシモは早めに5バックを決断。前節でサイド攻撃を受け続けて逆転負けした事が影響してか、この日は決断が早かった。FW田川を下げ新加入のCBチョンスンヒョンを投入し5バックへ。
鳥栖は主導権を渡して跳ね返す選択をしたので、あとは跳ね返しつつ、カウンターの機会を伺う事になる。
対する広島は強烈な左足が持ち味のアンデルソンロペスから、小兵でスピードがあり、嫌らしいスペースをついてくる茶島を投入。この茶島がブロックの間でボールを受けて鳥栖を苦しめる。幾度となくサイドからクロスを入れられるも鳥栖のDFも粘り強く対応し続ける。
攻め手がなかなか見出せなかった鳥栖だが、後半20分頃イバルボに変わって途中出場のチョドンゴンの個の力により起死回生のゴールを奪う。ハーフラインやや手前、クロスの跳ね返しを豊田が潰れてボールをキープしチョドンゴンへ。GKの位置、寄せてこない広島DF、状況を瞬時に把握したチョドンゴンはセンターサークル付近からロングーシュートを放つ。前に出ていたGK中林の頭上を越えクロスバーに当たりゴールイン。素晴らしいゴールに思わず両手を挙げてガッツポーズ。
後は鳥栖は試合終了までしっかりブロックを引き前線はプレスをかけて守りきる事。広島はその後SB丹羽を下げFW工藤を投入、前線の枚数を増やしばんばんクロスを入れてくるも、虎の子の一点を守りきり鳥栖が逃げ切ることに成功し勝利。
前線の形は構築中か
試合は広島の方がいいサッカーをしたと思うが、劣勢の鳥栖が勝利。分厚い攻撃に耐えながら一発のチャンスをものにする、こういう試合は久しぶりに見た気がする。鳥栖のパフォーマンスがいいとは言えなかったが、こうした勝利もまた格別なものがある。
逆に広島は、いいサッカーをしながらも結果がついてこない。サッカーは難しいなと思う。サイド攻撃の構築もSBのオーバーラップ後のカウンターのリスク管理もよく出来ていて、バランスのいサッカーをしているなと思った。そうそう崩れるサッカーはしていないように思う。
鳥栖は今日の3トップがまだ未知数。マッシモは結果を出した選手を使うことが多いので、前線の組み合わせもまた流動的かもしれない。まだまだハードな気候が続く中、どれだけハードプレス路線で主導権が握れるか、といった所だろうか。
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